ただ俺が怖いから断れなくてそう返事をしたことは分かっていた。


だけど俺は気づかないふりをして西村と登下校をしたり、昼を一緒に食べたりした。


俺は西村と一緒にいたかった。


あいつの近くで守ってやりたかった。


西村の気持ちを考えてなかった。



ある放課後。


俺はいつもどおり西村の教室まで迎えに行った。


すると女子の教室で話し声が聞こえた。


西村のクラスの教室だったから俺は耳を傾けた。


「もしかして早川のこと好きなの?」


…俺の話かよ。ってか俺の事好きな奴なんていんのかよ。