【完】向こう側の白鳥。









デートならしい一日を過ごしてから、私達の関係は見るからに変わった。





最初は先輩が見てくるだけで、目が合っても会話はなくて。



でもこの前からは目が合うと、軽く話すか、ジェスチャーなどで挨拶したりして。





……今は、目が合えば普通の友達のように会話するようになった。



会話どころか、下校をも共にしてるほど。





「白鳥さん、帰ろう。」





なんでそんなことになったのか、私にも分からない。





ただある日突然、五時半に先輩が私のところへとやって来て、「送る。」と言われたのだ。



その時は当然、美術室に残っていた女子全員が、声を上げて驚いた。