【完】向こう側の白鳥。









――「ありがとうございましたー。」





顔なじみのスーパーに寄って、とりあえず三日分ぐらいの食事を確保。





お母さんの仕事は医者。



それも大きな病院で働いてて、帰れないときが多々あるお母さんから、約一週間分の食費を貰っていた。





「今日の夕飯は魚にしよう。」





最後にお母さんと夕飯を共にしたのは、一体いつだったか。



もう随分昔だった気がする。





さっきも言った通り、この歳で寂しいとかは思わないけど。



やっぱり一人で食べる夕飯は、あまり美味しくない。



誰かと食べてこそ、美味しいと思う。





今日は菜子ちゃんでも家に呼ぼうかな。