【完】向こう側の白鳥。









お母さんに買い物を頼まれてるってのは嘘。



だけど、菜子ちゃんが言ったことは本当。





私の家は少し複雑で、菜子ちゃんはそのことを知ってる。



幼なじみで隣に住んでるから、昔から何かと気を使ってくれたりして。





狡いとは思うけど、私は度々これを理由に菜子ちゃんの話から逃げ出して来た。





「だって菜子ちゃん、たまにしつこいし……。」





友達としては、とても良い友達なんだけど……。





なんて考えながら、帰路を歩いていると。





――♪♪♪



ポケットに入ってる携帯が鳴った。





携帯を開けば、画面はメールをお知らせしていて。