【完】向こう側の白鳥。









気づけば黙々と随分歩いたみたいで、大通りに着ていた。





「……足、速い?」



「いえ……。」





立ち止まった私を、不思議そうに振り返る一ノ宮先輩。





「……何でもないです。」





溢れそうになる想いを飲み込み、先輩の隣を歩く。








……ここは、お姉ちゃんが命を落とした場所。



お姉ちゃんが大型トラックに轢かれて、この世の最後となった場所。





「……お姉ちゃん。」





先輩に聞こえないよう、小さく声に出す。





ふと、お姉ちゃんのあどけない笑顔を思い出した。





お姉ちゃんが生きていたなら、お姉ちゃんは憧れていた大学生になれているのに……。