【完】向こう側の白鳥。









春だからまだ明るいのに、送ってくれるんだ……。





一ノ宮先輩と一緒に帰るのは、これで二度目。



あの日以来のことだった。





あの時よりも沈んでいる夕日。


あの時よりも人少ない道通り。



あの時よりも弾む私の気持ち……。





前と違って、先輩との下校は嫌な気持ちだけじゃなかった。



……ほんの少しだけ、嬉しいという気持ちもある。





理由は分からない。





一ノ宮先輩が告白されてるのを目にしてから、どうも私はおかしい。





男の人は苦手で、先輩はどちらかと言えば嫌いなのに。



一ノ宮先輩の目に、私以外の女の子が映るのも嫌だと思う。





いつから私、こんなにも欲張りになったんだろう……。