「『遅かったね!』って言うけど。私は反省文書かされてる上、今日日直なんだよ。幼なじみは私を置いて部活に行って。」





いつも菜子ちゃんが日直のとき、私も手伝ってあげてるのに。





「ご、ごめんね、柚子ちゃん……。今、三時四十五分頃の中庭の絵を描いてるから、どうしても遅れるわけにはいかなくて……。」





三時四十五……。



何とも細かい。



でもそこが菜子ちゃんらしい。





菜子ちゃんは必死に説明するけど、説明されなくても私は知ってる。





それに理由が美術関係なら、私は何も言わないって、この前言ったのに。



今のはただからかっただけ。





「完成したら見せてね。」