【完】向こう側の白鳥。









溜息をつく。





反省文も終わって、やっとこれから部活。



鞄を持って教室の鍵は閉めて来たから、このまま直行できる。





そう思って階段を上ろうと、二階から三階への階段に差し掛かったとき。





「好きなんです……。」





突然にも、小さく聞こえた女子生徒の声。





……告白?





声がしたのは、南校舎と北校舎を繋ぐ渡り廊下。



チラッと壁の影から覗けば、予想通り告白現場だった。





女子生徒は今日の六限目、隣のクラスで騒いでたあの女子生徒。





男子生徒の方は……。





「一ノ宮先輩、今彼女いないですよね……?」