【完】向こう側の白鳥。









私と付き合い始めて漸く、気づいたと。



この想いはお姉ちゃんのときと同じだけれど、お姉ちゃんにじゃない。


“白鳥柚子”に恋をしてる。





夏祭りの日は嫌な予感がしていたらしい。


私の目が悲しげだったから。



別れを告げられたとき、頭が真っ白になった。



無駄と分かりながらも追いかければ、私は既に沢渡先輩の腕の中だった。





秋になってやっと、偽りの精神を保つことが出来るようになって。



苦しいのと悲しいのをひたすら隠して、私を見守ったと。


沢渡先輩と二人きりのところを見かけたときは、今にでも奪いたかったと。







口だけかもしれない、その言葉全部が嬉しくて。



同時に、どれだけ私が好きなの? と自惚れた。