【完】向こう側の白鳥。









「本物も何も、柚子は偽物じゃ無いよ。……俺が愛す、この世でたった一人の女の子だ。」





一ノ宮先輩、貴方は毒牙のような人でした。





ダメと分かっていても惹かれてしまう。




先輩はそれを知ってか知らずか、


“優しさ”という罠を張って

“残酷”という結果を見せる。




貴方を想って何度も泣いた。



先輩が好きだから。





私の嫌いな切ない視線は、お姉ちゃんだけを想っていた視線じゃ無かった。



最初はほんの少しかもしれないけれど、少なからずそこには、私への想いもあった。





先輩の一言一言で一喜一憂して。



時には堪えられず、逃げたときもあった。



あのときは自分に、自信が無かったから。


けれど、もう大丈夫。



また貴方の言葉で、私は強くなったから。