【完】向こう側の白鳥。









今こうやって見れば、顔にあるいくつかの傷は目立つ。




倉庫から帰る時、菜子ちゃんから受け取った私の学校鞄。


その中から、常備している絆創膏を一枚取り出した。





「一ノ宮先輩、こっち見て下さい。」



「ん?」





無駄に身長の高い先輩。



少し背伸びをして、こっちを向いた隙に頬に絆創膏を貼ってあげた。


鳥の絵が書かれたお気に入りの絆創膏。





「せっかく綺麗な顔してるんですから、あまり傷つけちゃダメですよ。」




まるで宝石に煤が付いたような気分だ。





「これ……。」



「絆創膏ですよ。擦り傷、なっていたから。」





先輩は恐る恐るというように絆創膏に指で触れて、フッと微笑んだ。