【完】向こう側の白鳥。









「お腹空いたー。」


久しぶりの天然馬鹿を発揮したのは菜子ちゃん。





「みんな、ありがとう。……心配かけて、ごめん。」



涙を流しながら微笑んだのは、私。





「「「「「どう致しまして。」」」」」





夕日に照らされた、秋の日。




涼しい風は、もう冷たい。



落ち葉がクルクルと空を舞って。



カラスの鳴き声が空中を踊る。






「柚子……。」




みんなの一番後ろを歩いていた、私と一ノ宮先輩。





グッと腕を惹かれて、気づけば先輩の腕の中だった。





「ごめん、みんな。俺と柚子、寄り道して帰るから。」





私を抱きしめたまま、先輩は恥ずかしげも無くそう言う。