【完】向こう側の白鳥。









「……いいなあ、お姉ちゃん。」



「え……?」



「大好きな人に愛されてて、羨ましい。」





よかったね、お姉ちゃん……。



あんなに冷たい俊二だけど、ちゃんとお姉ちゃんのことを愛してくれてるよ。



だって俊二が履いていた靴……。


お姉ちゃんが俊二の誕生日に、あげた靴だったから……。










俊二とはそのまま別れた。




果穂さんと俊二や康稀さんは同級生だけど、一ノ宮先輩とは二つ、私とは四つの歳の差。



次に会うのは、よっぽどのことが無い限り無いだろうな。





「じゃあ、帰ろっか。」


そう言ったのは果穂さん。




「やっと、だな。」


呆れたようで、面倒臭そうに呟いたのは沢渡先輩。




「俊二って、口と態度が悪い奴だけじゃ無かったんだな。」



意外そうに口を開いたのは時貴くん。