【完】向こう側の白鳥。









「ねえねえ、オレの存在忘れてない?」





そう言ったのは、喧嘩して来た三人の中で一番ボロボロな時貴くん。



頬を膨れて言う姿が、物凄く可愛い……。




じゃなくて。




「忘れてないよ、時貴くん。……助けてくれて、ありがとう。」



「……菜子が助けてって言うからだし。」





ツンデレか。


シスコンか。





「お姉ちゃん想いなんだね。」





果穂さんがそう言って、さっき菜子ちゃんにしたように時貴くんの頭を撫でる。




時貴くんは少し恥ずかしそうに、その手を受け入れていた。





と、よく見れば果穂さんの頬も赤い……?




「柚子ちゃん……果穂さんの気になる人って、時貴のことかな?」



「…………。」