【完】向こう側の白鳥。









「あー、疲れた……。」





遠くから声が聞こえた。





「あ、喧嘩終わったみたい。」





果穂さんが下ろしていた腰を上げて、それに釣られて私と菜子ちゃんも立ち上がる。





「柚子……!!」



「ひゃ……っ。」





私の視界に入ったと同時に、体に感じた重み。


そして、鼻についた香り……。





「一ノ宮先輩……。」



「大丈夫!? どこも怪我してない!? ってああ!! 首! 痣出来てる!! 何これ!? もしかして首を絞めた痕!?」





今までに見たことが無いぐらい、早口で動作も早い一ノ宮先輩。




隣にいる菜子ちゃんや果穂さんも、目を丸くして瞬きしている。