【完】向こう側の白鳥。









この人なら……。



この人なら、俊二を止めてくれるかも知れない……。





そう思ってしまった。





「あ、の……!」



「俊二を止めようとか、思わない方がいいよ。」



「え……。」





再び目を合わせた康稀さんの瞳は、さっきとは打って変わって冷たい。



狂気みたいなものを感じた。





「おれ、喧嘩すんの好きなんだよね。」



「へ……。」



「だから、柚子ちゃんが止めても無駄。おれは俊二に加担して、好きなことをするよ。」





そ、んな……。



また心が曇る。




唯一の救いだと思ってしまったのが間違い……。



康稀さんも、俊二の仲間なのに。