【完】向こう側の白鳥。









「……いつから、好きだったの?」



「…………気にし始めたのは、転入して来た時かな。」





そんなにも前から……。



菜子ちゃんは沢渡先輩のことを……?





「実際に好きだと気づいたのは、もっと後だよ? 時貴が熱で休んだ時は、まだ好きじゃなかったし。」





十月の涼しい風が、木から紅葉(こうよう)を散らせていく。



ひらひらと舞い落ちて、風に吹かれて旅する落ち葉。




目で追う一枚の紅葉(もみじ)が、公園内にある小さな池に浮かんだ。





「完全に好きと気づいたのは、夏休み。」





菜子ちゃんは鞄から、いつも部活で使っているノートを取り出した。