【完】向こう側の白鳥。









学校の方から、チャイムの音が聞こえる。



八時半、ホームルームが始まる時間だ。





とりあえず私と菜子ちゃんは移動して、家近くの公園のベンチに座っていた。





涙は止まっていて、二人静か。



ただ天に広がる青い空を、ジッと見つめていた。





「……あたし、ね……。沢渡先輩が、好きなの……。」



「……え?」





菜子ちゃんが呟く。





「柚子ちゃんの行動が、一ノ宮先輩や沢渡先輩、梅芽ちゃんを傷つけるのは本当だよ。」




「ただ…………あたしも、その中の一人だってこと……。」





膝を抱えて、菜子ちゃんは顔を埋める。



肩が少し、震えていた。