私は先輩を遠ざけて、微笑む。
「そうです。私、沢渡先輩と付き合うことしたんです。沢渡先輩、身形は派手だけど格好良いし優しいし、家もお金持ちだし。」
「…………。」
「……それに、一ノ宮先輩との“恋人ごっこ”は、もう終わりでしょう? いつまでもズルズル引きずっていたら、新しい彼女も出来ませんよ?」
「私も……彼氏に誤解、されたくないんで。」
声が震えそう。
涙が零れそう。
私は、悪女に成り切れてる?
顔を上げて、一ノ宮先輩の顔を見るのが怖い。
「……もう私に、付き纏わないで下さい。」
「迷惑、なんです……。」

