side 白鳥柚子
「何、それ……。じゃあ、沢渡先輩と付き合ったの……?」
「うん……。最低と分かっていたけど、断れなくて……。」
その日の夜。
今日も一人。
私は菜子ちゃんに電話をかけて、今日のことを話していた。
ほら、結局放課後も勝手に帰っちゃったし……。
そのことについて、菜子ちゃんは全然怒っていなかった。
なのに今、沢渡先輩に告白されたことを話した辺りから、菜子ちゃんは何だか怒っているよう。
声は少し震えていて、トーンは低い。
だけど時々、その声はいつも以上の勢いを持って聞こえてくる。
「柚子ちゃん……本気、なの……っ?」