【完】向こう側の白鳥。









「ぶどうも美味いよ。」





優しい微笑み。



私みたいに、恥ずかしがってる素振りは無い。





……何だか、それが悔しくて……。





「い、いただきます。」





そう言って。



恐る恐る、ぶどうあめに口をつけた。





カプリ



「どう?」





「ん……、美味しい、です。」





ぶどうあめは本当に美味しかった。



りんごあめと同じぐらい好きになったと思う。





けど……。



私はぶどうあめの味よりも、先輩と間接キスをしたことに胸がドキドキしてしまっていた。





頬が熱くて、ぶどうあめの味がどんどんしなくなる。



なのに口内から香るぶどうの香りに、今この時間が、とても幸せだと感じた。