【完】向こう側の白鳥。









「美味い?」





りんごあめを食べながら、屋台をのんびり見回る。





「美味しいです。」





私がそう言えば、先輩は軽く微笑んで……。





カプリ



「ん、本当。……美味い。」





私のりんごあめを、ひとかじり。





「せ、せせせせんぱい!?」



「ぶどうより甘いよ、これ。」





いえ……先輩の方が、絶対甘いと思います……。





私だけが顔を真っ赤にしてうろたえる。



間接キスじゃない、本当のキスはもう経験済みなのに……。





「……食べる?」





黙っている私を不思議に思ったのか、先輩は私の目の前にぶどうあめを差し出して来た。





もちろん、先輩の食べかけ。