【完】向こう側の白鳥。









薬を飲ませるには、まず何かを食べてもらわないといけないんだけど……。



こんなフラフラな状態で、またベッドから抜け出されても困る。





「大丈夫です、いますよ。」





仕方なく、ベッドの隣に腰を下ろした。





不安そうな目を向けて来る先輩に優しく微笑む。



手を握れば、先輩は安心したように目を閉じた。





薬は……起きてからでもいいかな。





少し汗をかきながら眠る先輩。



風邪で弱っている先輩は、いつもより可愛い。





鞄に入っていたタオルで汗を拭いてあげた。





ギュッと、握られている手に力が篭る。