【完】向こう側の白鳥。









「アイツが見てるのは……お前の影だ……。」





私の、影……?



何……それ……。





「白鳥柚子、勘違いしてるのはお前だ。」





嘘、そんなの、嘘だ……。





「紫苑はお前なんて、最初から見ていない。」





影って……そんなのまるで……。





「アイツの心にいるのは、いつだって一人。……お前はそいつの代わりにされたんだ。」





私、誰かの代わりみたいじゃない……。





「っ……う、そ……。」





ちがう。



代わりみたい、じゃない。



代わり、なんだ。





言いたいことはいっぱいあるのに、何も言えない。



何も……私の口からは言葉が出なかった。