「でもさ。聞いてみたら、このクラスには男バスの人っていないみたいなんだよ。凜、バスケ部に知り合いとかいない?」



『うーん…』





男バスの知り合いは……。





……あっ!





『速水くん…とか?』





頭の中に、一人の男子生徒の名前が浮かんだ。





「速水?」





当然ながら、琉希くんは首を傾げる。





『うん。去年同じクラスだったんだ。速水くんとはあんまり話したことないんだけど、確か男バスだったと思うよ?』



「へぇ。じゃあ、その人に入りたいって言えばいいのかな?顧問とか部長とか誰だかわかんないし」



『それでいいんじゃないかな?速水くんを通した方がスムーズにいくだろうし』





部活に入ってないから、私も詳しいことはよくわからないんだけど…。





『昼休みにでも速水くんのいる教室に行ってみる?私も一緒に付いてくよ?』



「あっ、ほんとに?んじゃ、お願いしまーす!」





琉希くんは明るい口調で言い、ペコッと軽く頭を下げた。