太陽の家

「……………?!」

何で、知っているのか。

名前も、素性も…。

ここでは、本名はまだタイヨウとユキにしか言ってない。

あの二人が教えたとは考えにくい。

「…………………」

しかも、名前だけで…そんな個人的な事情まで調べられるのか……。

まさか………。

「私の部屋の手紙……読んだ?」

イモ子の部屋の机の引き出しには、家族から送られた写真や手紙が入っていた。

「弟に面倒な母親の世話押し付けて、自分はバイトもせずに都会で悠々と暮らして………いいご身分様だよな」

「…………………」


クモの容赦ない言葉に横殴りにされ……愕然とした。

「いい加減、田舎帰ったら?」

クモはイモ子のスケッチをビリビリに破くと、そのまま階段を上がっていった。

イモ子はショックでその場に座り込んだ。

足が、震えて立てない。


………クモの言っていたことは間違いじゃない。

父親は事業に失敗して、由希が高校のときに自殺を図った。

それを機に、母は仕事を始め、由希も学校に通いながらバイトをして、家計を手助けした。

しかし、母は過労で倒れてしまい、由希も学校を辞める決意をしたが、弟に止められた。