「どうして、そんな事言うの?苦しくなんて無いよ」 泣きそうになって堪える為に手をぎゅっと掴んだ。 「悪い...言いすぎた。イヤ...友達として見てられなかったから...」 「ありがとう。大丈夫...もう帰るね。家そこだから」 止めていた足を動かし家に帰ろうとした所で、香月君が私の前に手を出した。 「これやるよ」 手の平の上には、桜がモチーフのピン留めが乗っていた。 「え、ダメだよ」 「いいから貰えよ、仲良くなった証だから」 香月君の手を見つめ指を伸ばした。