「早く入りなさい、蚊が入ってくるでしょ」
虎先輩の手を引っ張り中に入れると、おばあちゃんの顔は、驚くほど普通だった。
「ヒナの...カレシかい?」
モジモジしながら、顔をおばあちゃんに向けるとコクリとうなづいた。
「初めまして、椎名虎といいます。普段からお世話になってます」
「あ~ヒナの母親が言ってた男の子だね。遠くからよく来たね、お入り」
・・・あ、まだ母さんに報告してなかった。
「ご飯は、もう食べてきたの?」
「まだ、食べてないよ」
「キッチンに作り置きしてるから、好きなように食べなさい。おばあちゃんは、別の部屋に行くから、それじゃあね」

