・・・バスが無い。
仕方なく、おばあちゃんの家に電話を入れようとした。
「ヒナ、ヒナじゃん!」
振り向くと奏(かなで)くんが車の窓を開けて声をかけてきた。
「奏くん久しぶり」
「ほんと久しぶりだな」
斎藤奏(さいとうかなで)くん22歳。たしか...今年23歳だったような?
奏くんは、おばあちゃんの向かいの家のお孫さんで
おばあちゃん同士が仲良くて、小さい頃私が長野に帰る度一緒に遊んでくれたお兄ちゃんだ。
「ヒナ、帰るなら送ってやるぞ」
「え、いいの?」
「遠慮する仲じゃないだろ」
奏くんは、車から出てくると私の前に立ち顔を覗く。

