軽く頷くと手を引っ張られ駅から出ていく。 「虎先輩、電車に乗らなくてもいんですか?」 「人混みは避ける。どうせ20分ぐらいで映画館に着くから歩くぞ」 引っ張られた手をギュッと握られ駅を出ると歩き出した。 自分の周りの空気が少しだけ早く流れているように感じた。 息遣いが指先から微妙に伝わって来て...さっきよりも胸の閊えが取れるような気がした。 「先輩...歩くの早いです...」 「急いでいるつもりはないけどな...」 虎先輩の足が緩むとゆっくり歩き出す。