「待てよ」 進もうとすると手を引っ張られ足が止まる。 「何ですか?これ以上邪魔しないでください」 「似合わねえって」 似合わない? 無性に怒りが込みあがり引っ張られている手を爪で引っ掻いた。 「っつ...」 「似合わなくても結構です。虎先輩には、付けなくても天然でフサフワなマツ毛をお持ちの可愛いカノジョさんが居ますからね」 「何、妬いてるの?」 「妬いてなんかいません。虎先輩がカノジョ作ってくれてせいせいしてます。もう2度と電話もメールもしないで下さい」