ひとまず、彼女の指摘に従って、掴んだままだった首根っこから手を離した。
「ふぅ……
もう、いきなり酷いよー。女の子の首根っこを掴むなんて。
男の子はもっと優しくなくっちゃ」
ピキッ…
漫画だったらそんな音がしただろう行き場のない怒り。
僕をイラつかせる張本人は、うなじをさすりながら呑気な顔。
……誰か教えてくれ。
ハラワタ煮えくり返ってどうしようもないこの鬱憤を、僕はどこに放出したらいいだろうか。
きっと勉強よりも単純かつ簡単な問題だ。
目の前のこの、ぼけっとした彼女をしばき通せばいい。
…まぁ当然、今の僕には加減ができそうもなく、異性に手を出す危険も侵したくないので却下。
追い返してしまおうかとも思ったけど……


