悪者女子の恋心!

「とう…ま…っ」



誰かを呼んだ。



「お前。起きてんなら戻んぞ」

念のため声をかけるが案の定、起きない。


「行かないで、1人にしないで…やく、そく…」


はぁ?

「ごめ、んなさ…もう咲…要らない…?行っちゃやだ…」




英野は閉じた瞼から涙を流し、また寝息をたて始めた。


「どこにも行かねぇよ」







気づけば英野の唇に、俺の唇を重ねていた。