悪者女子の恋心!

トン、といつの間にかあたしの側まで降りてきた戸田が壁にもたれかかった。


「何泣きそーな顔してんの?」

「泣いてなんてないよー?」

はぁ…と溜め息をついてから奴は、しゃがんであたしの顎を持ち上げた。


「お前の性格とかさっきので分かってんだから外面とか意味ねぇんだよ」


あぁ、そうね。

ビンタ見られてたもんね。

「何でここで寝てんだ」

「…突き飛ばされたのよ」

「ん。乗れ」

はぁ?と思わず怪訝な顔で見上げると、おんぶの姿勢で戸田が静止していた。


「だッから…あたし立てないのよ放っといて」


痛いけど!

借りは作らない主義なのー!!