悪者女子の恋心!

あたしは透真にとって…そんなに悪者なのかしら。

わざと人を傷つけるような人なの?

だったら悲しいな…



そんなことを考えていると、ふわっと透真に抱き締められた。


「と…うま…っ?」

かすれた声が弱々しく出る。

「ごめん、咲…」

え───?

「そんな泣きそうな顔すんなよ…俺…れなを手放したくなくて…咲のこと、見てなかった。酷いこと言ってた…」


透真らしい言葉だった。

素直で正直で。


あたしは泣きそうな顔をしてたらしい。

いつもポーカーフェイスは透真にだけはできなくて。

スーッと涙が頬を伝った。