悪者女子の恋心!

「彼は…私に間宮和菓子が不正をしていると告げました」


「不正、ですか?」


「はい。それも…間宮和菓子が英野和菓子という小さな和菓子店から、製法を奪取しているというものです」


不正……老舗和菓子店にすれば大きな痛手だ。


破産までなりかねない。


「羽鳥は、私に取引を持ちかけました。私が取引に応じなければ、世間にそれを報道すると」


「その、取引というのは…?」



「不正を報道しない代わりにドキュメンタリーを撮るということです。老舗和菓子店の跡取り娘が、家に背いて非行に走りフランス留学する。それはそれは面白いドキュメンタリーでしょうね」


そう言って皮肉っぽく笑う。


「どれも羽鳥の指示です。これを果たせば終わる、そう考えていました。私は出版社と縁を切るつもりでした。しかし、羽鳥はそれを嗅ぎつけた上にとんでもない情報まで手に入れてきました」



それはきっと。



「椿が監禁されているということです。家から出させてもらえず、口答えや反抗があると蔵に鎖で繋ぐ。椿を精神的に追い詰めることでいわゆる非行を防げるという考えです」



…酷い。椿、あなたどうやって生きていられたのよ…?