悪者女子の恋心!

はぁ、と気付かれないように溜め息をついてスマホの画面を見る。



…知らない番号。


果たしてかけ直すべきなのか。


あたしが悩んだのは、菊乃さんの存在があるから。


あの人が赤の他人であるあたしに電話なんかしてくるかしら?



「沢口くん。次は何の授業だったかな?」


丁度通りかかった男子に尋ねる。

みるみる顔を赤くして嬉しそうな表情をした。


なんて分かりやすい顔なの…


「英野さんっ、次は国語だよ!!」


国語か。


国語なら得意教科だし今は読書教材だし、1コマ抜けても別段不利なこともないわね。


「ありがとう沢口くん」


ニコッと笑って次は1番あたしを敵視している女子グループへ。


「意味わかんなーい。何で英野、男子ばっかと喋ってんの?」

1人だけど。あなた算数習い直したら良いんじゃないかしら?


「友達いないんだよ、カワイソ」

「ブスだからでしょ?性格も顔も」


この子の目はどこまで節穴なんだろうか。


何てことは口にせず歩み寄る。


「琴ちゃん江里菜ちゃん…私、体調悪いから次の授業休むって先生に言っといてくれる?」


「はぁ?何でよ」


あからさまに怪訝な顔をする2人とその取り巻き。


男子に聞こえないよう小さく話すのが小賢しい。


端から見たら笑顔で話すクラスメイトだものね。