悪者女子の恋心!

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カツカツカツ。

コツコツコツコツ。


カツカツカツカツカツカツ。

コツコツコツコツ。



いえ、あのね。

これ先日のストーカーじゃないのよ?


ただ凜を追いかけてるだけ。

そう、そうよ。


と、突然凜が振り返った。

「…何してんの」


「追いかけてる」

「知ってる。何で」

「だって昨日帰ってこなかったから?どうしたのかしらーって」


「お前に関係ない」


ブチ。


…物理的にキレるときの音が聞こえるとしたらの話だけど。


馬鹿みたいに追いかけて、ほんとやだ。

俯いて一気に言い放つ。

「何なの!?一応家主なんだけど!心配だったから家のカギ一晩中開けといたのよ!?」


何よ!あたしの超スーパー親切心を!


短い期間だし合鍵作るのは損というもの。


言い返して来ない凜に痺れを切らし、顔を上げた。


…え、何。


驚いたように目を見開き、かつ優しい眼差し。


「………複雑な表情してるのね」


「何つー感想だよ」


不意にポン、と手に頭が置かれた。


「鍵はちゃんと閉めてろよ?俺らは男だけどお前らは仮にも女だし」


ポンポンと続けざまに頭を撫でる凜のそれは動きを止めない。