悪者女子の恋心!

「そうだよ、な…」


「ふふん、お分かり?あたしに謝るのはおかしいってんのよ。単なる幼なじみを舐めんじゃないわ」


あたしがにっこり笑うと、透真もまた笑った。


あたしの大好きな笑顔。


笑顔が綺麗なのは、春美さんと透真の共通点。

透真は気づいてるのかしら?


「れな……」


「春美さんなら、中庭のベンチ。はぁ~疲れたから帰るわ。じゃあね」



「咲、ありがとう」

「2度目よ、飽きたわ」


ぽん、と頭に置かれた手。

懐かしくて、嬉しくて…でも涙はもう出ないの。


透真は爽やかに、廊下を走って行った。