悪者女子の恋心!

「…青年よ、思う存分走るが良いわ」


ふっ、ちょっと格好いいじゃない?


「あ、そういえば凜は?」
「んーなんかアレだって、委員会だってー」

「そう。じゃあ気をつけて帰るのよ?どうせその辺で万雄待ってるでしょ」


アイツは優しいから。


ちゃんと椿を守ってくれるはず。


「う、うん…二人きり…?」

可愛いわね本当に。

さすが英野 咲に匹敵する子。

類は友を呼ぶってこういうこと?


「じゃあね椿。絶対、万雄と帰るのよ」

「うん!」


頬を上気させて走っていく椿を見ながら、あたしは気を引き締めた。