悪者女子の恋心!

あー疲れた。


あたしがベンチで1人ため息をついていると、


「ほーお、良いこと言うじゃん英野さん?」


やけに楽しそうな…凜の声が降ってきた。


「何よ聞いてたの!?」


「俺から逃げてサボりなんていい度胸してんなぁお前。椿と万雄と俺がどんだけ先生に言い訳すんの大変だったと思ってんだ」


そこは「どれだけ心配したと思ってんだ」じゃないのね。


まぁ夢のない。


「とりあえず教室帰るぞ。あー他クラスって不便だなー」


あたしの前を歩きながら凜はだるそうに石を蹴る。


「まっ、お代は貰うけど?」


「痛!!」


凜が急に振り返るからまともにぶつかってしまった。

そして顎を上に軽く持ち上げられ、


「んっ!?」


キスらしきものをされた。