悪者女子の恋心！

そうだな、と凜が笑う。


笑顔を見たのは何回目かしら。



「…咲」


透真があたしを呼んだ。


「ありがとう」


想像もしなかった言葉に、目を見開く。


そして、気づく。

離れようとしてたのは、透真のためじゃない。


結局、あたし自身のためだったの。


「ありがとう、透真。大好きよ」


幼なじみとして。


あたしの笑顔をあなたが覚えていてくれたら、それでいいの。



「さー行くわよ」


凜も椿も、大好きよ。


万雄もちょっとだけ、大好き。


あたしは心の中でクスリと笑った。








つもりだった。