悪者女子の恋心!

え…?


思わず顔を上げる。


見たこともないような、寂しそうな瞳。


透真は目を伏せ、その瞳に似つかわしい…寂しそうな笑みを浮かべた。 


「俺はもう、いらない?」

「な…何よ、それ」


「俺はもう、必要ない?」


ねぇ、そんなこと言ったらあたしまた甘えちゃうじゃない。


もう…貴方の優しさには応えられないの。

苦しいの。


貴方が大切なものを見つけた今では。


あたしも大切なものを見つけたの。


あなたを不幸にしてしまうのなら、あなたから離れるしかないと決めたのよ。