悪者女子の恋心!

キッチンに立ち、朝ごはん作りに取りかかる。


お母さんが家の電気水道光熱費、食費から全てを払い込んでくれるから自由に暮らしている。


イコール、ちょっと贅沢に過ごせる。


「じゃあ椿はジュース作って」

「何ジュース?」

ミキサーを棚から出し、椿に渡す。

「んー…じゃあ今日は可愛いやつにしよう」

テンション上がるし。

「苺たくさんとリンゴ、バナナにレモン汁ね。バニラアイスも少し入れて」

「はーい」


椿が手際よくフルーツを洗って切るのを横に見ながらフレンチトーストを作る。

卵に牛乳を入れてよく混ぜて、それにパンを浸し、バターをひいたフライパンで焼く。


「スクランブルエッグ作るねー」

ジュースを作り終えた椿があたしの手元を覗き込む。

「味付け、それだけでいいのー?」

「無駄に砂糖入れたら甘すぎるし、カロリーもアレなのよ。だから、焼き上がってから粉砂糖かメープルシロップをお好みで」


「なるほどー」


「椿のスクランブルエッグもなかなかじゃない」


ふんわりとろとろで、綺麗な黄色。

塩コショウで食べたら美味しそう…