悪者女子の恋心!

「椿…?どうしたの?向こうに何か…」

「咲っ行くよ!」

「え」

小柄な椿が精一杯強く腕を引っ張っている。


「あたしの家こっちじゃ」
振り向くと、

楽しそうに歩く見慣れた…忌々しいカップルがいた。

「…見たの」

椿はフルフルと怒りで震えていたかと思うと急に走り出した。



「え、間宮さん!?」


肩に掛けていた小さなバッグを振りかざし、


バコッと透真を殴る。


「最ッ低!!」

「透真くん大丈夫!?」

「裏切り者!!春美さんも周り見なさいよ!所構わずオーラ振り撒いてっ、人の心も…っ、気遣えっ!!」

まるで椿が透真に浮気されたみたい。


これも…椿の気遣いなんだろうな。

椿は可愛いから、周り中が浮気を想像するだろう。

「はぁ…、咲!行くよっ!」

ダッシュで戻ってきて、椿とあたしは繁華街を抜け出した。