「ただいま。」


私の家は普通のアパート。

お母さんと二人暮らし。


「あの人いないし早くしよ。」


あの人とはお母さんのこと。

身体を使った仕事をしていて、たまにウチに連れ込んでるときに出くわすこともあった。

ただ気持ち悪い事をするだけの仕事。

正直場所を変えて欲しい。

え?お父さん?

お父さんというのが誰だかはしらない。

あの人もわからないらしい。

仕事をしている時にできてしまったと聞いたことがある。


「準備しなきゃ…」


生活費は月に6万もらっているので困ることはない。

ごはんはコンビニとかかな。

こんな家庭で育ってしまったのでどうしても友達が作りづらくなってしまったのだ。

愛されたことがないので愛し方がわからない。

そんなとこかな?


『あんたなんて産まなければよかった…』


何度も何度も言われている言葉。

じゃあどうして産んだの?

もう、何回も思っている。


「よし、行こう。」


私は再び外に出て暗闇を歩いていく。