六月上旬





大阪に行っていた一行が帰ってきた





しかし──────






「なんだと!?それは本当か、近藤さん!!」






副長室にお茶を運ぼうとしたときに聞こえた土方の声





恐らく、大阪の力士たちとの乱闘事件は起こってしまったのだろう





歴史を変えてはいけない、とわかってはいてもスッキリしない気分だった





なかなか入れず、話が落ち着くまで、襖の前にいた





「失礼します、お茶をお持ちしました」





話が途切れたのを見計らって、そっと襖を開ける





「あぁ、蓮君か、久しぶりだね」





「はい」





近藤は屯所にいても随分と忙しいようで、大阪に行く前もあまり姿を見なかった





「お前、話を聞いていたか………」





「す、すみません
入るに入れなくて…………」





やはり土方にはバレてしまっていた






「いや、どうせお前は何もかも知ってんだろ?
別にいい」






そう、華蓮は未来から来た人間だ






知っているのは当然