教室につくともうみんな席に座っていた。



「よかったね、間に合って」

「うん!」

胸を撫で下ろしながらふと教卓に目を移す。


よかった、先生はまだ来ていない。

「じゃあまた後でね」

席順は出席番号で決められている。


私たちはまず列が違う。

はぁ、と溜め息をつきながら自分の席に腰を下ろす。


キョキョロと教室を見渡していると、ふと隣からの視線を感じた。

なんだろう…

隣を見てみるとそこに座っていたのは、恐ろしいほど顔の整った男の子だった。


「よ、よろしくね」

思わず声を掛けてしまう。

私の声は少し震えていた。


あの時以来私は男の子と話すのが怖くなっていたから…