…うん、やっぱりこんなの韓流ドラマでしか見たことない。





……少しだけ、ほんの少しだけ、浮かれてたりもするなんてことは、




誰にも言わないでおこう。





「私からの話は以上です。新入生はその正装のまま教室へ行くように」




校長先生のその言葉を合図に、みんな遠慮がちに動き出す。




だけど、私はまだ動きません。




だってそれはね、





「ほのかぁー!!」




淡い桃色のドレスを揺らして嬉しそうに走ってくる親友がいるから。




「香南(かな)!!…ってかわいい!かわいすぎる!惚れちゃう!」



「やだなぁ、ほのかがあたしに惚れてることなんて100年前から知ってたよ」



「ふふ、もしかしたら本当に100年前から惚れてたかもね」



「それは、空の上で?」



天井を見上げるかなの手が宙を撫でる。



「そうだよ」



「じゃあこれはあれだ、」



「ん?」

「運命だ」



見惚れるくらい嬉しそうに美しく微笑む親友がどうしようもなく愛おしくなる。