彼に殺されたあたしの体

「き……綺麗だろう?」


先生はぎこちなくそう言い、そしてぎこちなくあたしの肩に手を回した。


その行動にあたしは一瞬頭の中が真っ白になった。


え……?


なに……?


生徒が先生に肩を抱かれるなんて、想像もしていない世界。


どういうことなのか全く理解できなくて、あたしは唖然としたまま先生を見上げた。


あたしの表情に気づいた先生が、「わ、悪い」と、慌ててあたしから身を離す。


「先生、一体どうしたんですか?」


付き合っている人もいなければ好きな人もいない。


そんなあたしはかなり鈍感だったと思う。


この状況で逃げだしたり、声をあげたりしなかったんだから。


あたしはただ怪訝そうな顔をして、先生を見上げているだけだった。